スーパーマーケットなどの袋めん・カップめん売り場では今、多種多様なラーメンが陳列されているが、その中に少々マイナーながら一部で熱烈な人気を誇るラーメンがある。
マルタイ(福岡市)の「棒ラーメン」だ。登山家や即席めんマニアを中心に根強いファンがいるのだが、そのマルタイの業績が振るわないらしい。ネット上では「支援しなきゃ!」「箱買いしよう!」などと騒がれている。
皿うどんやカップめんの売り上げ伸びず、約6億円の赤字
「棒ラーメン」は正式名称を「即席マルタイラーメン」といい、1959年に発売された。約55年の歴史を誇る、即席棒状めんの「パイオニア」と自負する商品だ。
そうめんのようにまっすぐな、まさに「棒」状のめんが特徴で、スープはチキンとポークをベースにしたあっさりしょうゆ味。他にとんこつ味やちゃんぽん、焼きそばなどの棒状めんラインアップがある。
その「棒ラーメン」を展開するマルタイが2014年4月15日、「業績予想の修正に関するお知らせ」を発表した。
14年3月期の通期業績予想について、13年5月の時点で4億5000万円としていた営業赤字が、1億4000万円ふくらんで5億9000万円という見通しになった。
修正の理由については、円安による原材料の高騰や同業他社との競合激化など厳しい経営環境が続く中、13年1月に稼働した福岡工場などの建設に伴う減価償却費の大幅な増大、海外で棒ラーメンの売り上げを伸ばす一方で皿うどんやカップめんが伸びず目標とする売り上げ拡大が達成できなかったのに加え、営業経費が増大して損失額がふくらんだためとしている。
「棒ラーメンは登山食のホームラン王」との評価も
厳しい状況に直面しているようだが、「棒ラーメン」には熱烈なファンがいる。
特に登山家の間では、「バッグの中でかさばらない」「持ち運んでも割れづらい」「縮れめんと違いスープがめんと絡まないので、残りスープにご飯を入れておじやにできる」といった利点で重宝されているようだ。ある登山家のサイトでは「棒ラーメンは登山食のホームラン王」とまで書かれている。
登山家以外にも、即席めんをよく食べる人の間では、「店で食べるよりうまい」「棒ラーメンよりうまいインスタントラーメンあるの?」などと絶賛されている。
今回の赤字拡大の知らせを受け、ネット上では「支援せんといかん!」「棒ラーメンを箱で買おう。(場所食わないので保存食に最適)」「いっぱい買うから会社潰れないで欲しい」など、「買って応援しよう」という声が続々と上がっている。