シャープ発表「本日開催の取締役会にて付議する予定」が市場では高評価
これを受け、東証も対策に本腰を入れ始めた。4月4日には、企業の合併や増資など重要情報が報じられた際、企業側の情報開示が不十分な場合に投資家に注意を促したり、企業に説明を求めたりする制度を導入することを発表。具体的には、1997年に導入されたものの、適用対象が粉飾決算などに限られていた「開示注意銘柄制度」を幅広く適用できるようにする。
東証では、新制度について5月4日までパブリックコメントを受け付けており、5月中には導入に踏み切りたい考えだ。
ひとつのモデルケースとして受け止められているのが、13年9月18日のシャープの発表だ。この日の日経朝刊では、同社の業績や資本増強策について報じている。これに対して、シャープの発表では「当社が発表したものではありません」という説明に続いて、
「資本増強策については、公募増資や資本提携に係る交渉など様々な検討を行っております。業績予想の修正及び資本増強策の内容については、本日開催の取締役会にて付議する予定であり、決定しましたら公表いたします」
とある。上場企業としては公表できる事柄が限られている中、報じられたことのうち(1)現時点で何が明らかにできるのか(2)新しい事実はいつ分かりそうか、を明らかにしようと努力しているという点で、市場関係者の間では高く評価されている。
新制度導入後は、こういった踏み込んだ内容のものが増えることになりそうだ。