2013年度の車名別新車販売台数は、トップ10の中に軽自動車、ハイブリッド車(HV)がずらりと並び、低燃費車の人気を裏付けた。
一方、日本市場にマッチした輸入車の販売も好調。消費増税前の駆け込み需要が全体を押し上げた格好だ。
アクアが2年連続でトップ
日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2014年4月4日、発表した。それによると、首位はアクア(トヨタ自動車)で25万9686台。前年より8.1%減らしたが、2年連続でトップの座を守った。昨年12月に一部改良し、ガソリン1リットルあたり37.0キロと、燃費も首位。2位はプリウス(トヨタ)で、上位2車種がHVだった。
4位はフィット(ホンダ)。ガソリン、HVと二つのモデルがあるが、半数以上がHVモデルだという。昨年12月にアクアに抜かれるまで、燃費は1リットルあたり36.4キロとトップだった。
残る7車種はすべて「軽」。3位にN―BOX(ホンダ)が入ったのをはじめ、5位ムーヴ(ダイハツ)▽6位タント(同)▽7位ワゴンR(スズキ)▽8位ミラ(ダイハツ)と続く。9位は日産自動車が三菱自動車と共同開発したデイズが入り、10位はスペーシア(スズキ)が滑り込んだ。
車体が軽い「軽」は、もともと燃費は悪くはないが、近年は技術革新が進み、一部車種はHVに迫る低燃費を実現している。ガソリン価格の高止まりもあって、低燃費が新車購入の「決め手」になる傾向がますます強まっている。
14年度の「反動減」が怖い
一方、外国メーカー車も好調だった。日本自動車輸入組合によると、販売台数は、前年度比約22.9%増の30万2018台と17年ぶりに30万台を突破。ブランド別(乗用車のみ)の首位は独フォルクスワーゲン(VW)で、7万2155台と初めて7万台を超えた。2位メルセデス・ベンツ、3位BMW、4位アウディとドイツ勢が上位を独占した。
最近は外国車も、小型、低燃費という日本市場に適したモデルを積極投入している。従来の日本車ユーザーも、十分選択肢となりうる「お手ごろ価格」の車種もある。VWのゴルフは「2013~2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」を輸入車として初めて受賞するなど、存在感を高めた。1000万円前後の高級車もよく売れた。株高による「資産効果」が出た形だ。
全体の販売台数は前年度比9.2%増の569万台。年度前半は不振だったが、9月には前年同月比17%増とプラス圏に浮上し、今年1月には29.4%増とピークに達した。消費税前の駆け込み需要が寄与した。
ただ、4月以降は反動減が見込まれている。日本自動車工業会(自工会)は2014年度の国内総需要を475万台と予測。消費税率引き上げによる消費者マインドの低下を見込んだものだ。低燃費のHVや軽が支持される構図は変わりそうにないが、業界としては全体のパイの縮小が心配なところだ。