米国の広告売上高、ネットがテレビ抜く 日本ではいつそんな時代が到来するのか

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広告市場拡大のかぎとなるのが、スマホ

   調査では、自宅でテレビを見る際にいわゆる「ながら視聴」をしているのは対象国全体で約8割に上ると指摘された。日本も74%だ。これはテレビコマーシャルへの注意力が低下している可能性を示すものだという。

   ネット広告における日本独特の傾向として、広告が表示されないようにするためにオンラインのコンテンツの有料版を利用する割合が、わずか8%と10か国中最下位だった。米国は26%、平均でも22%という数字から見て、かなり低いと言えよう。日本人は、広告が付いていても無料コンテンツを選ぶというわけだ。これなら出稿側は、広告が消費者の目に触れる機会を維持できる。調査では、「日本におけるオンラインコンテンツ領域での収益モデルは、広告への依存度が高まることが想定される」と分析していた。

   今後のネット広告市場拡大のかぎとなるのが、スマホだろう。国内外問わず、モバイル広告は急成長中だ。ワイヤレス領域での広告・マーケティングを手掛けるD2C社長の宝珠山卓志氏は、2014年3月3日付の「ダイヤモンドオンライン」で、独自調査に基づいた2013年のモバイル広告市場について述べた。市場規模は2011年が1168億円、12年に1298億円、13年は2253億円となった。2013年は前年比73%増と大きく伸びており、総額の9割以上がスマホ広告だ。「ガラケー」と呼ばれる従来型携帯電話からスマホへの移行率は鈍化し始めているものの、「インターネット広告市場の牽引役は、スマートフォンであることは明らかだ」と断言している。

   前出のデロイトトーマツコンサルティングの調査では、国内のスマホやタブレット型端末の新規購買欲は低いが、若年層になればなるほど意欲が高まっているという。これを踏まえて若者向け広告の出稿が伸び続ければ、今後もモバイル広告が「倍々ゲーム」で増える可能性もある。米国のようにテレビ広告を脅かす日が、そう遠くない未来に訪れるかもしれない。

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