狙われる「デビットカード」機能、米国で被害報告 ハッカーがATMから好きなだけ現金引き出す

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日本の銀行のセキュリティー「今のところ、破られたことはない」

   なんとも手の込んだ手口だが、最初に商品を購入するときに使われている仕組みが、「デビットカード」だ。海外ではクレジットカード会社が取り扱う「VISA‐Debit」「MasterCard‐Debit」として広く普及している。

   利用時に銀行の預金口座からお金が引き落とされる、「即時決済」が特徴で、使い方はクレジットカードと同様、暗証番号を打ち込めば使える。

   一方、日本ではあまり馴染みがない。日本でみられる「J‐Debit」は、銀行のキャッシュカードに付与されている機能なので、キャッシュカードと兼ねている。仕組みや使い方は海外と同じだが、利用時間などに一部制限があるなど、海外で使われているものとは若干異なる。

   最近は、クレジットカード会社が本腰を入れ始め、「VISA‐Debit」はテレビCMも展開する。こちらは、基本的にはキャッシュカードとデビットカードの2枚が必要になる。

   全国銀行協会は、「2013年のケースは海外の銀行でハッキングされた情報をもとに偽造カードが作成され、国内でも現金が引き出されました。しかし、日本の銀行がハッキングされて顧客情報が盗まれて、悪用された例はありません」と話している。

   また、あるクレジットカード会社の関係者は、「これまでもカード番号が抜かれるケースがありましたが、銀行へのハッキングや、また加盟店(小売チェーンなど)から銀行の口座番号や暗証番号が抜かれたことはありません。クレジットカードによるデビットカードのセキュリティー基準は国際基準に則っています」と、万全と強調する。

   ただ、「顧客の接点が増えるほど、高いセキュリティーが必要になる。相手(ハッカー)の手口も高度になっているし、絶対に不安がないとは言い切れない」(大手銀行の関係者)とも声も漏れる。

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