電力小売り全面自由化に向け 商社、通信などの新規参入が活発化

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大手電力では身内の「たたき合い」始まる

   迎え撃つ大手電力では、身内の「たたき合い」の雲行きだ。東京電力は5月をメドに子会社を新電力に衣替えして関東以外での販売を始める方針で、大手企業の全国の事業所に一括して電気を供給する契約を虎視眈々、狙っているといい、10年後に域外で1700億円の売り上げをめざす。東電のなりふり構わぬ動きに、他の大手も危機感を募らせており、中部電力が既に13年、三菱商事系の新電力を買収し、首都圏に殴り込めば、関西電力は子会社を新電力として届け出て首都圏での電力販売に活用する構えで、顧客争奪戦がどこまで激しくなるか、注目を集めている。

   ただ、こうした制度改革がどこまで電気料金の引き下げにつながるかは未知数だ。原子力発電の停止で割高な火力発電が増えており、原発の再稼働が進まなければ、競争が起きても料金の高値基調は大きく変わらない可能性がある。また、新規参入事業者が効率のいい大規模マンションなど大口中心に事業を進めれば、一般家庭向け料金が高止まりする恐れもある。

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