見分けるには「擦ってみること」?
「消せるボールペン」をめぐっては、不正に至らなくても、文書作成に「レッドカード」を突きつけるケースが増えている。
名古屋市は2013年5月、監査人が「行政文書の作成における不適当な筆記具の使用について」と題した意見書を提出。それによると、市長室広報課や市会事務局総務課などの複数の部署で、消せるボールペンを使用して金額などを記載した見積書を用いたり、契約書類や行政文書を作成したりするケースがみつかった。
また、14年3月には川崎市が定期監査報告で、財務文書の作成に消せるボールペンを使用していた事例がみられ、「適切ではない」と指摘された。名古屋市のこともあり、監査委員らがとくに注意し、書類をこすって調べたところ見つかったという。
最近は大学などの入学願書などでも、「消せるボールペンの使用禁止」の注意書きがみられる。パイロットは「公的な書類や宛名などの消えては困るものへの使用は避けるようにしてほしい」というが、よい見分ける方はないのだろうか――。
「フリクションインキ」には、冷やすと発色するという特徴もあるが、零下10度以下というから難しい。パイロットは「熱をもつと消えるので、擦ってみることは有効だと思います」と話す。