大リーグヤンキースの田中将大投手が2014年4月9日(日本時間10日)にニューヨークのヤンキースタジアムで臨んだ本拠地デビュー戦。試合以外でもニューヨーカーに鮮烈な印象を残したようだ。
田中投手がマウンドに上がる際の「登場曲」に選んだのが「ももいろクローバーZ」新曲で、日本のアイドルの曲がヤンキースタジアムに流れるのはきわめて異例だからだ。現地メディアも、ウィキペディアを引用しながら、相次いで「ももクロ」について報じていた。
ウィキペディアを引用しながら「ももクロ」紹介
大リーグでは投手が登板する際、投手ごとの「登場曲」が球場に流れることになっている。田中投手はももクロの熱烈なファンとして知られ、ももクロの新曲「My Dear Fellow」を選んだ。田中投手のために特別に作曲され、5月8日に発売される「泣いてもいいんだよ」のカップリング曲として収録される見通しだ。
ニューヨーク・ポストは、この曲について、
「これまでここで流れた、ほかのいかなる曲とも違う」(=こんな曲流れたことない)
「自分専用の曲を引っさげてこの街に来る人なんて、他に誰がいるだろうか?」
と紹介。かなり驚きをもって受け止めたようだ。10三振を奪った反面、7安打3点を奪われた試合そのものについては、「完ぺきではないが競争力はある」と一定の評価をした。
ニュージャージ州最大のニュースサイト「nj.com」でも、この曲を紹介。最初は妻の里田まいさんの曲と思ったが、日本の記者に聞いて初めて「ももクロ」の存在を知ったという。
「ももクロ」の米国での知名度が低いからか、前出のニューヨーク・ポストや「nj.com」では、ウィキペディアを引用しながら「ももクロ」を紹介していた。新聞記事でウィキペディアを引用するのは珍しい。
1か月は新曲の話題引っ張りたい?
一方の田中選手は、この曲の話題を米国で「引っ張りたい」様子。米メディアには曲名を明かしていないようだ。AP通信やニューヨークデイリーニュースによると、田中投手は曲名を聞かれて、
「まだ公式には発表されていないと思う。あと1か月だけ待ってくれたらうれしい」
と応じたという。
試合後の会見では、田中投手は日本人記者から、
「米国で『モノノフ』(ももクロファン)が増えてほしいという気持ちも、少なからず持っていらっしゃる?」
と聞かれ、表面上は、
「どうなんでしょうね?ちょっとそれは分かんないですね」
と冷静を装ったものの、表情はにやけた様子。全米デビューや米国でのコンサートの可能性については、
「そうなればうれしいですね」
と答えていた。