NHK、受信料前払いでも消費税差額を請求 なぜJR定期代と対応違うのかと怒りの声

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   受信料を前払いした場合でも、2014年4月以降の分は消費税の差額をいただきます――。NHKがホームページ上でこう告知したことに対し、なぜJR定期代のような「据え置き」対応ができないのかと、ネット上で疑問の声が噴出している。

   この告知は、受信料の窓口サイト上に「消費税率の引き上げに伴う受信料額の変更について」のタイトルでアップされた。

差額請求は数百円ほど「これはセコい…」

差額請求も経営的な判断?
差額請求も経営的な判断?

   そこでは、増税によって受信料がアップしたことを知らせるとともに、前払いで2014年4月以降の受信料を支払っている場合について、「新しい受信料額との差額を次回のご請求時に清算させていただきます」と打ち出している。

   地上波の受信料は、口座振替・クレジット払いなら、4月から月額で35円値上がって1260円になる。半年前払い、1年前払いでは、割引があるため単純計算はできないが、結果として数百円ほどが差額分として徴収される計算になる。

   定期代に比べれば、大きな額ではないかもしれない。報道によると、ケーブルテレビや自動車教習所などでも同様な対応がみられ、ネット上では、「まぁこれはNHKに限った話じゃ無いけどね」との声もある。しかし、公共料金のような性格がありながら、JRなどと同じように対応しないNHKに対し、「これはセコい…」「前払いのメリット台無しだな」「消費税って払った時に対する税額でしょ」などと批判が相次いでいる。

   実は、消費税法改正の経過措置では、旅客運賃のほか、映画や美術館などのチケットは、前払いすれば増税前の税率が適用されるが、これにNHKの受信料は含まれていない。つまり、受信料については、前払いしても増税後の税率が適用されることになる。

   では、なぜNHKの受信料を経過措置に含めなかったのか。

   財務省の税制第二課では、NHKを管轄する総務省からはその要望が出されなかったからだと説明した。公平性を考えて財務省自らの判断でそうしなかった理由については、コメントできないとしている。

「消費税は適正に転嫁すべき」と説明するが…

   また、総務省の放送政策課によると、たとえNHKが消費税の差額を請求しなかったとしても、消費税法には抵触しないという。差額を請求しているのは、あくまでも経営的な判断になるそうだ。もっとも、NHKは、差額を請求しなかった場合、増税分の「損失」を被ることにはなる。

   過去には、1997年4月に消費税が3%から5%にアップしたときも、前払い受信料の差額請求に不満が出た。当時の読売新聞の読者投稿では、横浜市の男子大学生が、差額請求について「後から税を転嫁するのは納得がいきません」と訴え、NHKに見直しを求めていた。

   また、1年前払いしたときは、増税が決まっていなかったとの不満も当時は出ていた。今回も、政府は2013年10月になって増税を閣議決定しており、同様な不満が出ているようだ。

   NHKの広報局では、差額請求をした理由について、12年10月に受信料を値下げしたときにはその差額を返金しているとして、今回についても「消費税は適正に転嫁すべきものとされています」と説明している。

   追記(2014年4月14日):総務省の放送政策課の説明部分については、一部を削除しました。

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