理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーが2014年4月9日開いた会見では、(1)論文の「不備」は陳謝(2)「弁明の機会が十分与えられていない」として再調査を要求(3)STAP細胞の実在を主張(4)理研批判は回避、という4点を柱に主張を展開した。
2時間半にわたる会見を支えたのが、大阪弁護士会に所属する4人の弁護士だ。中には、企業の不祥事対応で謝罪会見に同席するほどの専門家もいる。理研側がどのような体制で不服申し立てに対応するのか注目が集まりそうだ。
会見で説明した弁護士は知的財産権が専門
会見で司会進行役だった三木秀夫弁護士は、弁護団で広報担当を務めている。13年には阪急阪神ホテルズ(大阪市)のメニュー偽装表示問題で第三者委員会の委員を務め、08年には食品の偽装表示や料理の使い回しをきっかけに廃業した高級料亭「船場吉兆」(同)の代理人として、謝罪会見にも同席した。船場吉兆食品偽装疑惑の謝罪会見では、「頭が真っ白になった…頭が …」などと女将が息子にささやき、「ささやき女将」として話題になった。また、かつては大阪弁護士会の副会長も務めていた。
室谷和彦弁護士は知的財産権が専門。会見では、理研に提出した申立書の内容を説明した。大阪弁護士会では「知的財産委員会」の「副委員長」を務めた。
片山登志子弁護士は消費者問題が専門で、12年10月には初の消費者事故専門の調査機関「消費者安全員会」の委員に就任。13年7月には、NHKの「視点・論点」に出演し、都内で発生したエスカレーターからの転落死亡事故の再発防止策について解説している。02年には、内部告発を支援する初の全国組織「公益通報支援センター」を立ち上げてもいる。
藪野恒明弁護士は12年4月から14年3月まで大阪弁護士会の会長を務めた「重鎮」。会長在任中の13年には、男子生徒が自殺した大阪市立桜宮高の体育系学科の入試を橋下徹市長が中止しようとしたことについて「教育を受ける権利を侵害する」とする声明を出している。