新型万能細胞「STAP細胞」の論文に「改ざん」や「ねつ造」があったと理研の調査委員会が認定した問題で、著者の小保方晴子・研究ユニットリーダーは2014年4月8日、理研に対して調査のやり直しを求める不服申し立ての手続きを行った。
これに先立つ4月7日、小保方氏の代理人弁護士がブログを更新し、理研の調査の問題点を指摘している。4月9日に小保方氏が開く会見でも、大筋で同様の反論を展開するとみられる。また、ブログではメディアによる過熱取材には「特に異常性を感じた」とも指摘。主に週刊誌にみられる強引な取材方法を批判している。会見でも、メディア批判が繰り広げられる可能性がある。
小保方氏の行為は研究不正の定義に該当しないと主張
小保方氏の弁護団で広報を担当している三木秀夫弁護士が反論を投稿したのは、大阪弁護士会所属の若手弁護士で運営しているブログ「ほな行こか~」。
ブログでは、(1)小保方氏の行為は調査委員会が認定した「研究不正」にあたらない(2)小保方氏の言い分を聞かないまま調査結果が発表された、として調査を批判した。
「どう見ても、(編注:小保方氏の行為は)その(「研究不正」の)定義に該当していません。しかしながら、調査委員会は、その点について、事前に本人からその反論を聞いたうえで評価を出すべきと ころ、それがなされていませんでした」
理研の「科学研究上の不正行為の防止等に関する規程」では、研究不正の例として「捏造」「改ざん」「盗用」の3つを挙げており、調査委員会では小保方氏が「捏造」「改ざん」を行ったと認定した。規程では、それぞれの用語を「データや研究結果を作り上げ、これを記録または報告すること」「研究資料、試料、機器、過程に操作を加え、データや研究結果の変更や省略により、研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること」と定義している。また、この研究不正は「悪意のない間違い及び意見の相違は含まないものとする」としている。
これらのことから、小保方氏の行為は「研究不正」の定義にはあたらないと主張しているわけだ。一連の行為については、引き続き「ミス」だと主張する方向だ。
「彼女は、研究論文の作成に関してしてしまったミスについては真摯に反省はしていますが、これらミスは、いずれも研究成果そのものに影響を与えるようなもの ではありませんでした。その若い、有望な歴史的発見をした研究者に対する措置として、今回の結論は、果たして妥当と言えるのでしょうか。これは、まさに人権侵害です」