応援職員が地元組を上回る【岩手・大槌町から】(40)

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辞令交付式で応援職員を代表してあいさつする内田拓亜さん=2014年4月1日、大槌町役場多目的会議室
辞令交付式で応援職員を代表してあいさつする内田拓亜さん
=2014年4月1日、大槌町役場多目的会議室

   春は別れと出会いの季節です。大槌町役場では3月28日に派遣元に帰任する応援職員への辞令交付式があり、4月1日に赴任してきた応援職員への辞令交付式がありました。


   役場の職員は4月1日で279人となり、3月末の246人から33人増えました。279人のうち、北海道から沖縄まで、全国の自治体から派遣された応援職員は151人。これに対し、地元職員は128人。初めて応援組が地元組より多くなりました。

応援職員とともに辞令交付され自己紹介する新採用職員=2014年4月1日、大槌町役場多目的会議室
応援職員とともに辞令交付され自己紹介する新採用職員
=2014年4月1日、大槌町役場多目的会議室

   4月1日の辞令交付式で、碇川豊町長は「地元職員だけでは復興は到底なしえない。今年度は復興を加速させる正念場の年。全国の自治体から集結していただいた皆さんの力をお借りし、一日も早い復興を成し遂げたい」と訓示しました。神奈川県海老名市から赴任してきた内田拓亜さんが応援職員を代表し、「がれきが撤去され、復興は新たなステップに差し掛かっているように思います。志を持って集まった方々とともに、住民の方々に以前の普通の暮らしを取り戻していただくよう努力したい」とあいさつしました。

碇川豊町長は帰任する応援職員一人ひとりと握手し感謝しました=2014年3月28日、大槌町役場多目的会議室
碇川豊町長は帰任する応援職員一人ひとりと握手し感謝しました
=2014年3月28日、大槌町役場多目的会議室

   3月28日の辞令交付式では、碇川町長から帰任する36人の職員一人ひとりに、辞令が手渡されました。碇川町長が「大槌を再生させるという皆さんの熱い気持ちがあったからこそ、何とかやって来ることができた。帰任しても、これからも大槌を第二の故郷として応援してほしい」と感謝の言葉を述べました。堺市役所に帰る西迫三千男用地建築課長が帰任する職員を代表し、「赴任してきた時に廃墟の町を見て、自分に何が出来るかどうか、自問自答した。やっと復興の槌音が聞こえ始めてきて、形に現れてきた。後ろ髪をひかれる思いだが復興を次の人に託したい」とあいさつしました。

帰任する応援職員は辞令交付後に記念撮影して別れを惜しみました=2014年3月28日、大槌町役場多目的会議室
帰任する応援職員は辞令交付後に記念撮影して別れを惜しみました
=2014年3月28日、大槌町役場多目的会議室

   大槌町では職員不足が慢性化しています。震災で全体の約3分の1の40人の職員が犠牲になり、町長を含め多くの幹部職員や技術系職員を亡くしました。その一方で、町の予算規模は震災前の10倍になり、仕事量が膨れ上がっています。町長や副町長は職員確保のために全国の自治体を回って協力を求めています。しかし、行政改革で職員を削減している自治体も少なくなく、厳しい状況に変わりありません。

(大槌町総合政策課・但木汎)


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