仕事がきついから若者が敬遠しているとは言い切れない
外食のバイトは、圧倒的に若い世代が多い。バイト情報を提供するインテリジェンスが2014年3月17日に発行した「anレポート」によると、アンケートに回答した15~34歳のうち、外食バイトの6割が20代前半より若かった。
一方で、近年の少子化により若者人口が減少している事実があると、リクルートジョブズの担当者は指摘する。ただでさえ募集件数が多い外食業界で、柱となっている若者バイトの絶対数が減っているのだから、あちこちで「争奪戦」が起きているようだ。
インターネット上では、外食のバイトが「きつい」という声もある。長時間の重労働、作業の種類が多くて接客も大変との嘆きだ。こうしたイメージが広がり、若者が外食産業で働くのをちゅうちょするようになったのか。リクルートジョブズの担当者は、「そういう議論があるのは承知していますが、外食のバイト・パート不足の要因になっているとは必ずしも言えません」と否定した。外食事業者は、確保したバイトに継続的に務めてもらえるように待遇の良さや「魅力ある職場づくり」でアピールしているという。
2014年2月4日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京系)では、ある居酒屋が採用後2週間辞めなかったバイトに一時金を支給、前借りも許可していると紹介した。別の居酒屋の場合、就活を機にバイトを離れる学生が多いため、就活中も仕事を続けてもらおうと「就活セミナー」を開いて支援するという。
さらに時給アップも試みているが、人件費の占める割合が大きい外食産業では、経営側にとって大きな負担となる。懸命に資金をひねり出すものの、新規出店増や若者人口減といった諸条件が重なって思うように人を集められないというのが現状のようだ。