北海道札幌市北区周辺で連続爆発事件が起きている。2014年1月から4月にかけて、ガスボンベの破裂をともなった不審火が5件発生、北海道警札幌北署は現住建造物等放火未遂容疑で捜査を進めている。
住民らが不安を抱えて過ごす中、この事件で利用された爆弾の材料が、テレビ番組で詳しく紹介された。視聴者からは「模倣犯を生み出す気か」「真似しろって言いたいのか」といった批判が噴出している。
「こう言っちゃなんですけどどこにでもあるような物ですよね」
14年4月4日放送のNHK「ニュースウォッチ9」で、この事件が取り上げられた。
ガスボンベが使われた事件ということで、札幌市消防局消防科学研究所のガスボンベの爆発実験映像を用い、いかに簡単に爆発するかということを説明した。3月27日にホームセンターで起きた事件では画びょうが、4月3日に警察官舎で起きた事件ではくぎなどが現場から見つかったことも報じられた。
4月7日放送のテレビ朝日系「モーニングバード!」ではさらに詳しく、爆発に使われたとみられる材料を全て並べ、高村智庸レポーターが「(材料を全て入れた)ポリ袋に火を付けて爆発させた可能性が出てきました」と紹介した。
コメンテーターの石原良純さんは「大した物じゃないですよね?こう言っちゃなんですけどどこにでもあるような物ですよね。誰でも作れるというか…」と、「簡単にできる」ということを強調しているようだった。
視聴者「まねしろって言いたいのって疑ってしまう」
これらの番組は身近な物で爆発物が作られてしまうという恐ろしさを伝えたかったのかもしれないが、視聴者は不快感を抱いたようだ。
ツイッターでは、「模倣犯の増産ご苦労様です。ってホントにバカだな…」「あんな身近な材料で作れるなんて衝撃だし、何回もじっくり見せるなよ。まねしろって言いたいのって疑ってしまう」「これを見た人は、『誰でも、何処でも出来る爆弾爆発』と感じたでしょう」など、「詳しく紹介することで作ってみる人が現れるのでは」という指摘が多く上がっている。
爆弾の作り方を紹介するテレビ番組は、13年4月に発生した「ボストンマラソン爆破テロ事件」の際も放送されていた。この時使われたのは「圧力鍋爆弾」で、モーニングバード!が作り方を詳しく説明、NHKでは作り方を紹介したウェブサイトを大きく取り上げていた。
当時テレビ朝日はJ-CASTニュースの取材に対し、「番組に対するご指摘は、今後の放送に生かしてまいりたいと考えます」と回答していた。