セブンーイレブン、JR西に大量出店 「駅ナカ」で成長けん引、両社の思惑が一致

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競合も少なく、利用客を独占できる利点

   セブンには、「駅ナカ」店舗運営のノウハウがある。2009年、京浜急行電鉄と業務提携し、駅への出店を開始。乗降客のニーズに合わせた品ぞろえで、セブン導入前に比べて売り上げを3~5割伸ばした。駅ナカは人が集まる一等地であることに加え、競合も少なく、利用客を独占できる利点もある。

   セブンだけでなく、ローソンやファミリーマートなど他の大手チェーンも駅ナカへの出店には積極的。この分野で先行するのはファミマで、JR九州や近畿日本鉄道、西武鉄道などの駅に約400店を設置している。セブンは約60店に過ぎなかったが、今回の提携で一気に約500店を積み上げる。

   特に、セブンにとっては西日本での勢力を大幅に拡大できるという意味も大きい。コンビニ最大手のセブンの国内店舗数は1万6000を超え、2位ローソンに5000店近い差をつけている。ただ関西地域で強いのは、神戸で生まれたダイエーの流れをくむローソン。セブンは、東日本に比べ、西日本の店舗は売り上げが劣っている。今後、一等地に店舗網を広げれば、それだけ「規模のメリット」をいかせるのだから、単純な店舗数の増加以上の意味があるのだ。

   全国の鉄道の売店、コンビニのうち、大手コンビニが関わっているのは2割程度とされる。今回の提携を受け、他のチェーンも鉄道事業者への提携を一層拡大しようと努めるはずだ。「飽和状態」といわれながらも、ニーズに合わせた商品、サービスを展開すれば、なお成長できるとみる大手コンビニ。「陣取り合戦」はますます過熱しそうだ。

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