元読売巨人軍の清原和博選手がこたつに入って「また2位か!」と、人気女性タレントのローラさんに怒ってみせるテレビCM。見たことがある人は多いはずだが、このスポンサーは「DMM.com証券」だ。
同社をグループ会社に抱える「DMM.com」も含めて、そもそもいったいどんな会社なのか、と話題になっている。
DVD・CDレンタルや動画のネット配信が「基礎をつくった」
その名前をテレビで見ない日はないのではないか――と思うほど露出度が増え、それに伴い認知度もアップしている。清原選手とローラさんが登場するテレビCMでは、「FX取引高 世界2位」「DMM.com証券」の名称が入るので、FX(外国為替証拠金)取引を扱う証券会社であることがわかるが、その一方では「ネットでできる英会話」としてPRしている「DMM 英会話」や、お笑いタレントのビートたけしさんを起用した「3Dプリント」と、およそ関連がないような事業が並ぶ。
さらには、タレントの有吉弘行さんが「安い会社だな」とつぶやくテレビCMでは「DMM.com 半額キャンペーン」と、なにが半額なのかもわからない。
そんなことから、DMM.comが「いったい何をやっている会社なのか、さっぱりわからない」と思っている人は少なくないだろう。
調べてみると、DMM.comはFX事業や英会話事業、3Dプリント事業のほか、人気アイドルのAKB48グループなどの動画配信、電子書籍やパソコンソフト、DVD・CDの通信販売やレンタルビデオ、ビデオ・オン・デマンドなど。「半額」をうたっていたのは、DVD・CDなどのレンタル事業だった。
また、レンタル事業ではファッションや生活用品、バイクや高級車までも借りることができる。
まだある。太陽光発電事業や公営ギャンブル事業、社会支援活動や福祉活動を目的としたオークション事業、「恋活」にオンラインゲーム事業と多岐にわたっており、まるで「なんでも屋」のようだ。
DMM.comは、
「DVD・CDなどのレンタル事業やインターネットでのアニメや映画・ドラマの動画配信などは、当社の基礎をつくってきた事業です。テレビCMを展開している事業は『柱』というより、力を入れている事業で、最近では3Dプリントやオンラインゲームなどです」
と話している。
業績は、ネットやメディアのトップ企業に匹敵?
グループ会社としては、動画配信やDVD・CDのレンタル事業などを手がける「DMM.com」やFX事業の「DMM.com証券」のほか、デジタルコンテンツの配信やネットワークソリューションを提供するDMM.com Labo、石川県加賀市にあるDVD・CDなどのプレス・アッセンブリ業務やレンタル、物流事業を手がけるケー・シー(KC)、「月刊DMM」やアダルト雑誌などの出版社、ジーオーティー(GOT)がある。
ところが、DMM.comのホームページを見ても、同社の事業内容や財務状況に関しては開示がない。直近の業績について、J-CASTニュースが聞いてみたが、「一切開示していません」と、突っぱねられた。
ビジネス情報誌エルネオス4月号などによると、DMM.comは「総帥」である亀山敬司氏が1980年代後半にレンタルビデオ店を開業。アダルトビデオの製作にも乗り出したという。「グループ全体で売り上げ1000億円、利益は200億円弱」で、ネットやメディアのトップ企業に匹敵する規模と推定している。
ちなみに、グループ会社のKCは売上高(単独)を開示していて、2011年7月期で105億円(前期比1.3%増)だった。