「盗用の事実を厳秘とするよう繰り返し命じていた」
訴訟の対象となっている「方向性電磁鋼板」は変圧器などに用いられる特殊な鋼板で、「門外不出」としてきた技術。しかも大量生産して製品化するまでに新日鉄住金は膨大な資金と時間を費やしてきた。
ポスコの元研究員は陳述書で、「ポスコによる技術盗用は、会社として長期間、組織的に行っていた」「総責任者は社長で、盗用の事実を厳秘とするよう繰り返し命じていた」と、すべての責任は韓国本社の社長にあるとも指摘。さらに、ポスコが独自に取得した特許は、「新日鉄から特許侵害を疑われたときに反論するためダミーで取得したもので、実際には使えない」とも記している。
ポスコが大量生産する段階では、盗用のため実験の必要がなかったことから、新日鉄住金が長年かけてきたプロセスを、「1年半というごく短期間で立ち上げることに成功した」とも証言しているという。