韓国の人気女性アイドルグループ、CRAYON POP(クレヨンポップ)の新曲の一部に日本語的表現があったとして、テレビ局のKBSが放送に不適格だと判断していたことが明らかになった。
韓国政府は日本文化に対する国民感情に配慮して、「流入」を防ぐ政策が続けてきたが、ここ15年ほどでかなり規制が緩和されてきた。それにもかかわらず唐突に厳しい判断が示されたことから、さすがに韓国内でも違和感を持つ人が多いようだ。
2010年にはSKE48が地上波生放送で日本語の歌披露
問題だとされたのは、2014年4月1日にリリースされた新曲「オイ(Uh-ee)」の歌詞。
日本語の擬態語「ピカッ」は、韓国語では「ポンチョク」と表現されるが、歌詞の中に日本語と韓国語を組み合わせた「ピカポンチョク」という表現が6回登場する。複数の韓国メディアが4月3日に報じたところによると、KBSはこの「ピカ」について、日本語的表現だとして放送には不適切だと判断したという。このような判断をしたのは公共放送のKBSだけで、MBCやSBSといった民放では特に問題視されなかったという。
韓国では長い間、日本の大衆文化が国内に流入することを規制してきたが、それでも98年から04年にかけて4回にわたって規制緩和が行われてきた。特に04年の第4次「開放」では、地上波でも日本語の歌が放送できるようになった。ただ、それでも放送局側の自主規制で、原則として録画番組のみの放送に限られてきた。聯合ニュースによると、数少ない例外が10年9月に開かれた「ソウルドラマアワード」。SKE48が「強き者よ」「青空片想い」の2曲を披露し、民放最大手のMBCが生中継した。
この生中継では、局側が事前に政府機関の「放送通信審議委員会」に法律上問題がないか確認している。かなり高いハードルを乗り越えて実現した番組だということがうかがえる。
「英語はコピーしてよくて日本語はダメなのか?」
このような経緯を踏まえると、今回KBSが録画・生放送関係なく下した「放送不適格」の判定は、韓国側の基準にもそぐわない厳しい判断のように見える。韓国でも決定に違和感を持つ人は多いようで、韓国の大邱市を本拠にする地方紙の毎日新聞は、「論難」だとして批判している。ネット上でも
「さすがにこれはちょっとひどい」
「これは笑わせる。英語はコピーしてよくて日本語はダメなのか?これは審議員がおかしい」
といった批判的な声が多い。
クレヨンポップの所属事務所は、KBSだけ歌詞を「ポンチョクポンチョク」に変更し、他局に出演する際は引き続き「ピカポンチョク」という歌詞でパフォーマンスを行う考えだ。