ジャパンディスプレイ「首位固め」図る 中小型液晶、韓国・台湾勢が急速に追い上げ

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薄型テレビの二の舞の懸念

   先進国ではスマホ普及が一巡し、このところ伸びが鈍化している。カギを握るのは、高価格でも低価格でもない、中価格スマホだ。JDI、シャープなどの高価格陣営と、台湾、中国など低価格陣営が、こぞって中価格スマホの需要取り込みを狙う。低価格陣営は、高機能化を進めるとみられており、JDIも安泰とはいえない。

   実際に市場の評価は厳しい。JDIの初値は769円と、公開価格(900円)を14%下回った。薄型テレビでは、韓国サムスン電子やLGが圧倒的な価格競争力を武器に日本勢を追い抜き、世界市場を席巻した。その二の舞になるのでは、との懸念がくすぶる。市場の疑念を払しょくするためにも、質量ともに成果を上げる必要がありそうだ。

   他方、革新機構にとってもJDIの上場の意味は小さくない。これまでベンチャー企業を中心に60社以上に投資してきたが、上場によって資金を回収するのは、2009年7月の設立以降、初めて。JDI株式の保有比率は約87%から約36%に下がり、700億円強の売却益を得た。

   民間単独では踏み切れない難しい案件に投資しているとはいえ、資金回収が進まなければ、革新機構への批判につながりかねない。投資先企業の成長を後押しし、着実に資金回収の実績を積むことが求められる革新機構にとって、大きな1歩となった。

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