関係者「安倍首相はいずれ見直すはず」
ただ、政府は2014年4月1日、河野談話について、作成過程の検証は必要だとしながらも、見直しはせず、新たな談話も考えていないとの国会答弁書を閣議決定している。
このことについて、杉田水脈議員の事務所では、「後ろ向きの決定になりましたが、検証はするとしており、少しは動いたと思っています。見直しまでには時間がかかると思いますが、地道に活動を続けていきたい」と言っている。
検証の結果次第で、安倍晋三首相が談話見直しなどに動くことはあるのだろうか。
ある政界関係者は、安倍首相自身は見直すべきだと思っており、検証の結果が出れば動くはずだと指摘する。
「安倍さんは、『戦後レジームからの脱却』を求めており、歪んだ歴史認識を正したいと思っています。しかし、外交問題で支持率が落ちるなどして失脚してしまえば、それもできなくなってしまいます。ですから、安倍さんは、一時的に問題を鎮めるしかないと考えて、決定したわけです。とはいえ、全面屈服したとみなされれば立ち消えになってしまいます。安倍さんの側近などが見直しなどの必要を唱えているのは、外野に言わせておくためですよ」
安倍首相は、任期中にやりたいと考えているはずだとし、動く時期としては、自民党総裁選や次期衆院選の前が考えられるという。
産経新聞とフジテレビ系ニュース「FNN」が2月22、23日に行った合同世論調査では、河野談話の見直しに約6割もが賛成している。まだ、ほかには調査結果が出ておらずはっきりしていないが、安倍首相が、世論の動向を見ながら、見直しなどに向け舵を切ることもないとは言えないようだ。