報告書渡されたときには弁明はなかった
報告書で指摘された画像の改ざんについては「見やすい写真を示したいという考え」から行ったといい、「元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません」とも主張。「ねつ造」だと指摘された画像については「単純なミスであり、不正の目的も悪意もありませんでした」とした。
ただし、この2点については調査報告書がすでに
「研究者を錯覚させる危険性がある」
「その(画像加工の)手法は科学的な考察と手順を踏まないものであった」
「明らかな実験条件の違いを認識せずに、論文1(編注:STAP細胞の論文)の図を作製したとの説明を納得することは困難」
と批判しており、必ずしも両者の主張はかみ合っていない。
この2点を含む論文の不適切な点については、3月9日に執筆者全員から訂正した論文をネイチャーに提出しており、この点は理研も確認している。一度は小保方氏も論文撤回に同意していたが、現時点の小保方氏の意向は理研でも把握していないという。
調査報告書は、3月31日に川合真紀理事(研究担当)が直接小保方氏に手渡して内容を説明した。その時の小保方氏の様子を、川合氏は
「説明した時点でだいぶ困惑していた。本人が予想していたものと違ったのか、それともその通りだったのか、そこはコメントをいただいていないので分からない」
と説明。この説明の席には弁護士が同席しており、小保方氏は特に弁明はしなかったという。川合氏が不服申し立て手続きについて
「(弁護士と小保方氏で)相互に相談して決めるのがいいと思います」
と伝えたところ、反論のコメントが送られてきたという。