「当局がウソをついていないと信じられるはずがない」
マレーシアの主要英字紙は、電子版で連日「消えた機体」について大きく報道している。現地在住の女性に聞くと「マレーシア航空機に関するニュースが洪水のように伝えられる割には、有力な新情報が出てきません。少々うんざり気味の人が多いのではないでしょうか」と語った。
遅々として進まない事故調査や機体の捜索に、人々のいらだちは募る。そんな中でマレーシア航空当局は3月31日、MH370便の操縦室と地上管制の間で最後に交わされた会話が「了解、おやすみ」だったとの従来発表を変更し、「おやすみ、マレーシア370」だったと訂正した。なぜ違っていたのかは不明だ。当局に対しては、事故に関する十分な情報を開示していないとの批判がある。
このニュースを報じた英字紙「ザ・マレーシアン・インサイダー」には、読者からコメントが寄せられた。「こんな小さな事実すら変更するなんて、当局がウソをついていない、重要な情報を隠していないと信じられるはずがない」「なんて恥ずかしい。たったワンフレーズを正確に伝えられないとは」「(分析に)3週間以上費やした結果がこれか」と批判のオンパレードだ。
怒りの火は、中国でも起きている。MH370便の乗客で最も多かったのが中国出身者だからだ。最近では、中国人俳優で映画「小さな中国のお針子」などに出演している陳坤氏が、中国版ツイッター「微博」に「マレーシア政府が真実を明かさない限り、マレーシア製品とマレーシアへの旅行をボイコットする」と書き込んだ。ただこの発言には批判も多く寄せられた。陳氏は後に「私の個人的な怒りとして、マレーシア政府とマレーシア航空に向けたもの」と釈明。発言により、周囲の人を扇動するような意図はないと理解を求めた。