マレーシア航空機消息不明の解明進まず フライトレコーダー発信機「寿命」間近

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   マレーシア航空370(MH370)便が消息を絶ってから、24日目を迎えた。墜落した可能性の高い南インド洋では、日本を含む各国の調査チームが海と空の両方から捜索を続け、これまでに複数の浮遊物を洋上で発見した。

   ただ回収作業が難航しているため、機体の破片なのかはいまだに分かっていない。同機が不明となったカギとなるフライトレコーダーやボイスレコーダーの探索も、極めて難しくなっている。

機体の捜索海域付近には「ゴミベルト」

世界の5つの還流。図左下のインド洋還流の内側に「ゴミベルト」があるとみられる
世界の5つの還流。図左下のインド洋還流の内側に「ゴミベルト」があるとみられる

   南インド洋上を漂う浮遊物の目撃情報は、連日のように報告されるようになってきた。2014年3月29日、中国新華社通信は中国軍機が飛行中に数字の「9」と書かれているとみられるオレンジ色の物体を、オーストラリア・パースの西およそ2200キロの海上で発見したと報じた。報道によるとニュージーランドの哨戒機も、白い物体が相当数、洋上に散らばっているのを見つけたという。

   目下のところ、急がれるのがフライトレコーダー、ボイスレコーダーの発見だ。その「居場所」を知らせる発信機が取り付けられているが、電池の寿命が30日で尽きる。ただでさえ広大な海での捜索作業が困難なところに、発信機が機能しなくなれば見つけ出すのは絶望的だろう。フライトレコーダーには飛行記録が残っているはずで、ボイスレコーダーは操縦室内での機長らの会話が録音されている。原因究明には欠かせない。

   浮遊物の回収自体も、スムーズとはいえない。オーストラリアのアボット首相は3月30日、捜索海域で見つかった物体を中国船が回収に成功したと報道陣に語ったが、MH370便の機体の一部なのかの解明はこれからだ。

   気になる情報がある。捜索中の海域が、いわゆる「ゴミベルト」に該当するかもしれない。マレーシアの英字紙「ニュー・ストレーツタイムズ」電子版が4月1日、AP通信を引用して伝えた。「ゴミベルト」としては、東日本大震災の津波で太平洋に流出したがれきが、年月を経てたどり着く先になると指摘されている「太平洋ゴミベルト」が有名だ。米カリフォルニア州とハワイの間に位置し、膨大な量のゴミが堆積しているとみられる。

   同紙が米ロサンゼルス在住の船長に取材したところ、世界の海洋にはさらに4か所のゴミベルトがあり、そのひとつがマレーシア航空の機体を探している海域付近というのだ。豪州周辺の海には、1平方キロメートル当たり5000~7000個ものプラスチック漂流物が存在するとの調査報告もある。これほど大量では、マレーシア航空とは何ら関係ないゴミを回収し続ける無駄を繰り返す恐れがあると同紙は指摘する。

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