流行食い止める方法は
とはいえ、エボラ出血熱が「海を越えない」とは言い切れない。実際にカナダでは、西アフリカからの帰国したカナダ人男性がエボラ出血熱を発症した疑いで入院した。報道では当初、「深刻な状況」と伝えられたこともあり、ちょっとした「エボラパニック」の様相だった。
しかし検査の結果、この男性は「エボラウイルスの感染なし」と判断された。前出の関西福祉大学の勝田吉彰教授は、「国名が2つも3つも登場して、しかも『大流行』などと取り上げられると、それだけで相当大変な事態になっているように受け取ります。正しい情報がうまく伝わらず、パニックに陥ることのほうが危険ですから、できる限り情報を素早く発信していくことが大事なのです」と話している。
もちろん、アフリカへの渡航者は感染しないよう十分に気をつける必要はある。ただ、感染の拡大は基本的には最初の段階で原因が見逃されていたために起る。たとえ海を越えて日本に上陸したとしても、「入国後、疑いがあればすぐに強制入院させることを徹底すれば抑えられます」と話している。