トヨタ大規模リコール問題、米司法省と1200億円で和解 刑事捜査は終結、民事上のリスクはなお残る

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今後巨額の和解金を求められる可能性がある

   トヨタは和解について「今回の合意は難しい決断だったが、未来に踏み出すための重要な一歩と考えている」とのコメントを発表し、苦渋の判断だったことを強調している。この問題以降、トヨタは苦情処理体制の見直しや先進安全技術研究センターの設置などで信頼回復に向けた措置を実施した。顧客対応の改善など地道な取り組みが奏功し、2013年の米国での新車販売台数は前年比7.4%増となり、リコール問題で2011年に12.9%にまで落ち込んだ米国シェアも2013年は14.3%にまで回復した。米国の景気回復を背景に販売が好調な中、刑事訴追のリスクを避け、販売競争に専念する方が得策と判断し、和解に踏み切ったとみられる。

   だが、司法省とは和解しても、民事上のリスクはなお残っている。急加速による死傷事故をめぐって起こされた数百の訴訟は主に3件の集団訴訟に絞られている。このうち2件はすでに和解が成立し、計約11億3000万ドルの和解金を支払った。残る訴訟でも原告と和解協議を進めており、今後巨額の和解金を求められる可能性がある。

   このトヨタの大規模リコール問題が他の自動車メーカーに与えた影響は小さくない。近年の自動車業界では部品の共通化が進み、100万台を超える「ミリオン・リコール」も珍しくなく、影響は世界中に波及する。国内メーカーはトヨタの一件で「情報開示と迅速な対応の重要性を改めて痛感」(大手幹部)させられ、早期のリコール対応に乗り出すなど危機対応能力を高めている。

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