「トモダチ作戦」参加米兵が東電に訴訟提起 「原発事故適切に開示せず」と賠償1000億円求める

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一度は棄却された訴訟を「再提起」か

   東電は過去にも、元米兵から訴訟を起こされている。2012年12月、トモダチ作戦に参加した8人と、当時は生まれていなかった米兵の子どもの、合計9人が原告となった。東電が事故の情報を正確に伝えなかったため、原発事故でまき散らされた放射性物質を浴びて健康被害や精神的苦痛を受けたとの主張だ。最終的に原告の人数は51人にまで増えた。

   だが米連邦裁判所は2013年11月26日、この訴えを退けた。米紙「U-Tサンディエゴ」電子版2013年12月17日の報道によると、東電が福島第1原発から漏れ出した放射性物質の量について、「日本政府の了解を得たうえで偽った」と主張する点が争われたが、「日本政府が米政府に不正行為を働いたかどうかの判断は、連邦裁判所の権限から外れる」として棄却したのだという。ただし裁判官は原告側に対し、訴訟の再提起への道を残していた。

   今回のクラスアクションは、同じ弁護士が担当し、原告の中に最初の訴訟と同じ「当時乗組員の胎児だった子ども」が含まれていることから、新たな訴訟ではなく再提起したもののようだ。「AERA」が指摘していたように、今後原告の人数が増えれば、裁判の行方によっては東電側がさらに巨額の賠償金を迫られるかもしれない。

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