自動車保険、大手各社が今秋以降にまた値上げへ 消費増税で負担増大、「1~2%」の攻防か

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コスト削減で吸収するにしても限界

   自動車の死亡事故自体は年々減っているが、若年層に比べて保険料が相対的に安い高齢者の増加、事故後遺症の長期化傾向、「支払い漏れ」解消に向けて契約者に周知徹底する各社の取り組み――などの要因が重なり、自動車保険はこのところ、赤字基調が続いてきた。

   自動車保険は損保大手の保険料収入の半分程度を占める主力事業。それだけに収益改善が必須課題で各社は昨年、1~2%程度の値上げを実施した。値上げにコスト削減効果も重なり、大手3グループの2013年4~9月期の自動車保険事業はようやくそろって黒字となった。

   確かに、1000億円超の負担増となると、コスト削減で吸収するにしても限界はありそうだ。光熱費や電車賃のような公共料金だけでなく、商品一般に広く消費増税分の価格転嫁は進む見通しであるだけに、自動車保険料の値上げも消費者に受け入れられる可能性はある。

   ただ、「昨年、値上げをお願いしたばかりで『またか』と言われる可能性も高い」(損保大手幹部)のも事実。金融界を含めて今春、各業界で叫ばれる賃上げ話が損保からは聞こえてこないのも「値上げする一方でベアが通るのかどうか」(別の損保大手幹部)という問題があるからにほかならない。

   とはいえ、「増税分の3%もの値上げは顧客離れを呼ぶだけ」との見方はほぼ共通。コスト削減を図りながら各社とも1~2%程度の値上げで足並みをそろえると見るのが順当なところか。それでも「インターネット系損保に流れるのではないか」と、大手損保には心配のタネが尽きない新年度になりそうだ。

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