審査官が不足している
ただ、特許期間半減を実現するには課題もある。審査にあたる専門の審査官の育成がその一つだ。日本の審査官は2012年で約1700人。これに対し、欧州は約4000人、中国は約5700人、米国に至っては約7800人で、日本は圧倒的に少ないのが実情だ。このため、審査官1人当たりの年間審査処理件数は2011年時点で、日本が233件に対し、米国は94件、欧州は52件と、日本は欧米の2~4倍も負担が重い。
企業の国際活動が拡大し、海外企業との競争が激化する中、世界的規模の競争で特許取得の重要性は増すばかり。世界知的所有権機関(WIPO)が発表した特許協力条約(PCT)に基づく2013年の国際特許出願件数(速報値)によると、企業別ではパナソニックが2881件で、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE、2309件)を上回り、3年ぶりに首位となった。日本企業の出願活動は世界的に活発化しており、特許取得に関する国際的な連携強化が求められるのはもちろんだが、日本企業が海外で特許を適切に取得できるような支援対策の必要も指摘されている。