中国通信機器大手、ファーウェイは「危険な存在」なのか 各国が「締め出し」に動く中で、日本はどうする

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通信機器シェア世界2位、ソフトバンク「4G」ネットワーク構築

   総務省の2013年度版「情報通信白書」によると、ファーウェイは2012年の通信機器世界シェアでスウェーデン・エリクソン社に次ぐ2位につけている。スマートフォン(スマホ)でも存在感を発揮。米調査によると2013年7~9月期の出荷台数は、韓国サムスン電子や米アップルに続く3位につけた。今や世界トップレベルの企業に成長している。

   日本では2005年に法人を設立。東京や大阪に拠点を構えるほか、2013年10月には研究所を横浜に拡張移転した。国内のエンドユーザーにとっては、家電量販店や携帯電話会社の店頭で見かけるモバイル機器のメーカーとしてその名が浸透しているかもしれない。実際に無線LANルーターでは、国内販売数量シェアで4年連続1位に輝いた。

   その一方で、携帯電話の基地局や通信ネットワークといったインフラの構築も、国内で実績を積んでいる。2011年にはソフトバンクから高速データ通信ネットワーク受注した。現在では「4G」のサービス名で商用化されている。さらに2012年、イー・アクセスと1.7ギガヘルツ帯域のLTE方式に対応したネットワーク構築で契約を結んだ。

   国内の通信事業に深く根を下ろしたファーウェイの「危うさ」を、雑誌「FACTA」2014年4月号が書いた。横浜にある同社日本研究所に中国から技術者が派遣されたが、一部は一度も顔を見せたことがなく、うちひとりを名指ししつつ「米国ではスパイと認定され、指名手配されている」人物だという。また、国内企業が開発した高度な映像システム技術を同社が「コピーした」疑いも報じている。

   ソフトバンクやイー・アクセスのネットワークを広く手掛けた点も不安視。 NTTドコモとKDDIは、現時点でファーウェイの基幹設備を採用しているかは情報開示されていない。ただソフトバンクだけでも契約者数は2014年2月現在で3500万件を超える。「FACTA」の記事は、ソフトバンクが長時間遮断されると「全回線が共倒れになりかねない」と危惧する。

   「FACTA」が報じた内容について、ファーウェイ・ジャパンにコメントを求めた。記事中で名前が挙げられていた、米国でスパイ認定された社員がいるのか事実確認をすると、「個別の従業員に関するお問合せはプライバシーもあり、回答は差し控えさせて頂きます」とのことだった。また、映像システムを違法コピーしたとの指摘に対しては「事実とは異なっております」とこたえた。

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