北朝鮮には「何でもあります。ないものはありません」
北朝鮮での暮らしぶりについては、微妙な会話もあったようだ。ウンギョンさんは北朝鮮の物資の豊かさについて「何でもあります。ないものはありません」と話したのに対して、早紀江さんは、
「顔色もつやもよくて、元気に明るく、屈託のない感じで生活をしているんだということを目の当たりにして本当に私たちは嬉しく思っています」
と応じた。その上で拉致被害者を念頭に、
「沢山日本に帰っていない人もいるので、そういう人たちも含めて、あなた方ぐらいのレベルで満ち足りた生活ができていれば、私たちはどんなに嬉しいかと思う」
と続けたが、「そういった話になるとデリケートな感じになる」ため、それ以上は深入りできなかったという。
拉致被害者のめぐみさんについては、ウンギョンさんから
「お母さんは歯が弱く、いつも歯医者に通っていた」
といったエピソードが明かされたものの、
「生死の問題は非常にこちらからは出しにくいし、向こう側も、(北朝鮮当局から)教えられたように(死亡したと)思っている」(早紀江さん)
として深くは踏み込まず、生存に関する新たな情報は得られなかった。