リーマン・ショック以降、技術流出に拍車かかる
技術流出は、2008年秋のリーマン・ショック以降、拍車がかかったとみられる。業績不振に悩む国内製造業が、大規模な人員削減を進めたためだ。韓国メーカーをはじめとする海外企業は、高額報酬で技術者の引き抜きを活発化させた。
企業側も、機密情報にアクセスできる人を制限したり、退職時に、情報漏れを禁じる守秘義務契約を結んだりと、対策を進めている。しかし「悪意を持った流出を完全には防ぎきれない」(大手電機)というのが実情。企業からは、諸外国に比べて甘い不正競争防止法の罰則を強化すべきだとの声も出ているが、不正を防ぐ決め手にはなりそうもなく、日本メーカーの苦悩は続きそうだ。