春闘で賃上げ回答目立つ 消費増税で生活は良くなるのか?

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   2014年春闘は、自動車や電機など大手企業でベースアップ(ベア)が相次ぎ、デフレ下で賃金を抑制してきた近年の春闘とはムードが一変した。連合は「すべての働く者の賃上げを目指すうえで、順調なスタートを切ることができた」(神津里季生事務局長)と、歓迎するコメントを発表した。

   しかし、楽観はできない。物価は、円安による輸入価格の上昇などで上がり始めているのに加え、4月から消費税率が5%から8%に、3%分上がるのに伴い、一段と上昇することになる。賃上げ率が物価上昇率をカバーできなければ、家計の負担が重くなるのは避けられない。

昨年までの春闘から様変わり

   大手企業が春闘でベアを回答したのは6年ぶり。集中回答日となった3月12日、トヨタ自動車が2002年以降で最高となる平均月額2700円のベアを回答、日産自動車は満額回答の3500円となった。電機大手6社(日立製作所、東芝、三菱電機、パナソニック、富士通、NEC)もベアに相当する賃金改善分の月額2000円を回答。現行方式の要求となった1998年以降の最高額となった。しかし、トヨタでさえ、賃金上昇率はベアで0.78%、定期昇給分を入れても2.87%にとどまる。

   もちろん、好業績の企業の中には、賃上げが物価上昇を上回りそうなところもある。「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは今春闘で、一律1万円のベアを含む1万7008円の賃上げをすることで労働組合と合意した。2013年実績と比べた賃上げ率は8.36%で、消費増税も物価上昇率も飲み込みそうな勢いだ。トヨタの場合もボーナスを入れた年収ベースでは余裕がある。しかし、そんな企業は一握りにすぎない。

   昨年までの定昇の確保が焦点で、「ベアは論外」(経団連)、平均賃上げ率は1%台後半の攻防だった昨年までの春闘から様変わりしたとはいえ、今春闘の賃上げ率は2%を超える程度にとどまる可能性が高い。

   では、これで生活は良くなるのか、ならないのか。

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