13年は円安に耐えて、最終利益は2倍増
そんな「Cassina(カッシーナ)」だが、じつは日本では苦戦していた。カッシーナ・イクスシーは2007年12月期に103億円あった売上高がわずか4年で半減し、10年12月期には3期連続で経常赤字を記録するという深刻な業績不振に陥っていた。
それを店舗閉鎖や人員削減などのリストラで乗り切り、森康洋社長が就任して1年で黒字化を達成。2013年12月期は、売上高が前期比17.8%増の62億5700万円まで回復。営業利益と経常利益、当期純利益はいずれも4億円で、前期に比べて2倍超と大きく増やした。
輸入家具はアベノミクスによる円安が収益を圧迫したが、首都圏マンションの発売戸数の大幅な増加や戸建て住宅向けには活発な引き合いがみられ、数量、金額ともに増加した。アベノミクスで懐が暖かくなった資産家層が、広く新しいリビングに見合う家具にカッシーナを選んでいるようすがうかがえる。
ちなみにカッシーナ・イクスシーは、円安ユーロ高による輸入価格の上昇や原材料の価格高騰にもかかわらず、13年は商品を値上げしなかったが、4月1日から為替の影響を考慮して値上げすることにした。