【震災3年 復興へ前を向く(3)】
復興グルメ2連覇の「りゅうぐう蛸焼」 南相馬は大丈夫だとアピールしたかった

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   東日本大震災後、福島県南相馬市で生まれたご当地グルメ「りゅうぐう蛸焼(たこやき)」。被災地の仮設商店街が自慢の料理を持ち寄っておいしさを競うイベント「復興グルメF-1大会」で、2連覇を果たした。

   「自分たちがつくったたこ焼きを、おいしいと言ってもらえた」。中心となってメニューを考案した高橋秀典さんは、喜びをかみしめた。

ツブ貝にホタテ、「糸状」の青のりを乗せる

巧みな手つきで「りゅうぐう蛸焼」をつくる高橋さん
巧みな手つきで「りゅうぐう蛸焼」をつくる高橋さん

   高橋さんに「F-1」への誘いがあったのは、2013年7月の第3回の直前だった。それまで福島からの参加がなく、主催団体からの強い要望があった。

   もともと、南相馬市鹿島地区と原町地区でたこ焼き店「円達」を営んでいた。東京電力福島第1原発事故後、原発30キロ圏から外れる鹿島地区の店舗前に仮設の「かしま福幸商店街」が建てられた。震災の被災者や、故郷が「警戒区域」に指定されて退避を余儀なくされた人と、県内の複数地域から商店が集まった。高橋さんも、仮設商店街にたこ焼き店とは別の飲食店を構えた。

   出場を快諾したが、開催日まで時間がない。しかも新メニューでの参加が条件だ。地元の鹿島商工会と相談し、商店街の代表という形で自身の店をベースに「TEAM南相馬」を結成、出品料理もたこ焼きで勝負すると決めた。具はタコだけでなくホタテ、また南相馬の「名物」のツブ貝を選んだ。味付けはしょう油にわさびを添え、上には刻んだネギと、従業員の発案で青のりを乗せた。一般的な粉状のものではなく糸状の海藻だ。具の大きさを調整し、素材本来の味や食感を大切にしながら焼き方を工夫して、「りゅうぐう蛸焼」は完成した。

姉妹サイト