社員が元値つり上げ指示と共同通信が報じる 楽天「事実か確認されていない」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   楽天の価格表示問題で、複数の社員が店舗に対し、元値をつり上げて、割引を装うように指示していたと、共同通信が報じた。楽天では、事実関係は未確認としながらも、調査委を立ち上げたことを取材に明らかにした。

   店舗が元値をつり上げていた問題は、2013年11月の球団日本一のセールで大きくクローズアップされた。

「みんなやってます」などと店側を説得?

仰天元値が騒ぎに
仰天元値が騒ぎに

   元値に当たる77%引き前の通常価格が、シュークリーム10個で1万2000円として売られたり、iPhone 4S用「SIMフリー」で43万円余もしたりして、ネット上で大騒ぎになった。楽天は、その後の調査で、17店舗でこうした不当な価格表示をしていたとして、各店舗に1か月の販売停止処分をしている。

   このときは、楽天は、自らは関係がなく、店舗が勝手にやったことだと説明していた。ところが、共同通信は14年3月20日、楽天社員のECコンサルタント2人が元値つり上げを先導していたと報じた。

   記事によると、生鮮食品店では11年に、このうち1人のコンサルタントが「定価を倍にして、50%オフ商品を作るように」と指示した。コンサルタントは、「客には分からないから」「みんなやってます」などと言って、店側を説得していたという。

   また、別のコンサルタントはこの年、飲料販売店に指示して、元値を5割近く高く表示させた。日本一のセールでは、元値をさらにつり上げ、77%オフの商品を作るようにと言い出した。安い商品とセットにすれば定価が分からなくなると、ごまかしのテクニックも伝えたという。しかし、店側は、各商品に定価はあるので無理だと考え、怖くなって指示に従わなかった。

   共同の記事では、ほかの食肉や惣菜の販売店でも、同様の指示があったとしている。

報道を受け、社内に調査委を立ち上げる

   このほかには報道はなく、楽天社員の関与がどこまで本当かはまだ明らかではない。J-CASTニュースが前出のシュークリームを販売した店舗に取材しようと、当時の電話番号にかけたところ、「もう店はありませんよ。うちは関係ないですから」との話だった。また、いくつか別の店舗に電話すると、「その件については、一切お答えしていません」「社員からの指示はまったく聞いてないです」との答えが返ってきた。

   報道を受け、ネット上では、複数の社員が関与しているなら、楽天が組織的にやっていたとしか思えないといった声が相次いでいる。

   これに対し、楽天の広報部では、まず社員が関与したかについて、「現時点では、そのような事実は確認されておりません」と取材に答えた。ただ、共同通信が報じたことを受け、2014年3月20日に社内に調査委員会を作ったことを明らかにした。

   そのうえで、仮に事実があれば、社内規定に基づいて、厳罰に処すとした。報道では、景品表示法違反(有利誤認)に当たる可能性が指摘されているが、楽天は、「法律に抵触するかどうかは、専門家に聞いてほしい」(広報部)とだけ言っている。

   なお、楽天では、日本一セールの問題を重くとらえ、新しいガイドラインを作って、不当な価格表示をしないよう店舗に徹底させているという。元値については、適正価格になるように、相当期間の販売実績がある通常価格、あるいはメーカー希望小売価格を表示するようにさせているとしている。

姉妹サイト