牛丼チェーン大手「すき家」の店舗が次々と閉店している、などとネットで騒ぎになっている。ツイッターや掲示板には閉店情報と閉店した店舗の写真がアップされていて、店の入り口には「従業員不足に伴い、一時的に閉店させていただきます」などといった張り紙が出ている。
どうやら従業員が2014年2月下旬以降に大量に辞めたことが原因のようで、掲示板「2ちゃんねる」のすき家クルー(従業員)専用スレには従業員と思われる人たちの「みんな辞めるなら俺も辞めたい」「まじで同時退職しようぜ」といった呼びかけが出ていた。
「人員不足のため、店舗を一時閉店させていただきます」
「すき家の春の閉店祭り始まったぞw」「閉店理由がシュール」などとネットが騒がしくなったのは14年3月中旬から。ツイッターや掲示板で閉店店舗の写真が次々にアップされていった。この閉店はゼンショーの業績悪化のためとか不採算店舗、ということではないらしい。入口の張り紙には「機器のメンテナンスのため」「リニューアルのため」などと書かれていて「一時的な閉店」を強調している。特に目立っていたのが「従業員不足」という張り紙だった。
実は、14年2月下旬からネットの掲示板などに「忙しすぎてやってられない」「もう辞めたい」などといった従業員と思われる人たちの書き込みが増えていった。その理由は14年2月14日から始めた「牛すき鍋定食」といった鍋メニューの販売で、このメニューを提供するのに時間と手間がかかりすぎる、というもの。ただでさえ他の牛丼チェーンに比べメニューの多い「すき家」だから、厨房が回らなくなっているというものだ。
掲示板「2ちゃんねる」には従業員専用のスレが立っていて、一人でオペレーションする店が多すぎる、とか、深夜帯は仕事が多すぎて処理できないことがある、人手不足が深刻で当日欠勤はまず不可能、強盗が一番入りやすい店、などの問題点が書き込まれている。そうした厳しい環境なのに手間のかかる鍋メニューが加わったとして、経営者や商品開発担当に対する批判が噴出した。
「広報の担当者は外出中でわからない」とゼンショー
このスレの3月9日、10日に、
「ゼンショーの発展は、これまでサービス残業や過重労働に耐えてきた献身的なクルーの貢献によるところが大きい。鍋はそのようなクルーを本気で怒らせたということだ」
「まじで同時退職しようぜ。バイトに負担をかけることのリスクを知らしめよう」
「みんな辞めるなら俺も辞めたい。ヘルプ来なくなったらますます死ぬな」
などといった書き込みが出ている。
閉店が相次いでいると騒ぎになった3月20日には、
「主婦の昼帯クルーも、鍋仕込みの残業で帰れないからと辞めた。春休みだから昼帯は学生でカバーしてるけど学校始まったら完全に終了しそう」
と心配する書き込みも出て、そう簡単に今回の従業員離脱騒動は収まらない様子だ。
いったい「すき家」に何が起きているのか、これからどう対応していくのかなどをゼンショーに問い合わせているが、
「広報担当者は取材対応の外出中で戻りがいつになるかわからない」
ということだった。