早大「審査員が目を通さないことは通常ない」
鳥取大学工学研究科教授の石井晃氏も「審査員なら、審査報告書にサインしてるはずだし、それなら博士論文は読んでるはずだし、公聴会に来てるはずです」と不可解さを指摘する。その上で「あれはヴァカンティ教授が責任逃れのための口からでまかせ、という気がします」とも語った。東大や鳥取大の博士論文審査員は、名前と職名を審査報告書に書き、さらに捺印する必要があるといい、ロバート・ゲラー氏は「早稲田大学が調査して事実関係を確認してそれを公開して貰うことを期待します」と訴えた。
果たしてバカンティ氏の主張は事実なのだろうか。ネイチャー誌の報道について早稲田大学に取材したところ、「バカンティ教授の発言はメディアが報じたものであり、私たちは直接聞いていません。これまで指摘もありませんでした。こうした報道に大学としてコメントを出すことは、誤解を生むことにもつながりますので控えさせていただきます」と回答。そのため、バカンティ氏の審査報告書へのサインの有無や、審査フローへの関与レベルついても「個別の件になりますのでお答えできません」として、話を聞くことはできなかった。
それでも「審査員が論文に目を通さないということは通常、ないです」とし、小保方氏の論文を巡る今後の対応については時期がきたら発表すると話していた。