STAP細胞論文問題で、理研がユニットリーダーの小保方晴子氏(30)に責任を押し付けているとの批判が識者らから相次いでいる。むしろ理研が小保方氏を利用したとの報道まで出ているからだ。
「未熟な研究者」「論文の体をなしていない」「常道を逸している」…。理化学研究所が2014年3月14日に行った中間報告の会見では、理研幹部から小保方氏を批判するフレーズが相次いだ。
「小保方さんに罪をなすりつけている」
理研によると、小保方氏は、画像の切り貼りについて、「やってはいけないことという認識がなかった。すみません」と釈明したり、流用が指摘された画像について、「どこから取ってきたか覚えてない」ととぼけたりした。
確かに、こうした認識は、研究者として信じられないとの指摘がネット上などでも多い。しかし、論文は、発生・再生科学総合センターの副センター長らも執筆などに関わっており、なぜ問題が見過ごされてしまったのかという疑問は消えない。
さらに、問題を握りつぶそうという動きさえあった疑いも報じられた。NHKは3月13日、小保方氏が早大の博士論文から細胞画像を流用したとされる問題について、副センター長が1か月前には把握していたものの、理研の調査委には「単なる画像の取り違い」とだけ説明していたと指摘したのだ。
ところが、会見では、不正があったかはまだ調査中だとして、理研幹部による自己批判などの言葉はほとんど出てこなかった。
会見内容について、東大医科学研究所の上昌広特任教授は、ツイッターなどで「小保方さんに罪をなすりつけているように見える」とコメントし、副センター長らも出てきて説明すべきだと指摘する。