「何らかの記載をコピーしたという曖昧な記憶」
中間報告では、画像の不自然さや切り張りの疑い、他の論文からの盗用の疑いなど6項目を調査し、うち2項目については不適切な取り扱いはあったものの悪意を持って改ざん、ねつ造したとは認められないとした。残る4項目については、現在も調査中という。
調査が進んでいる内容でも、画像の切り張りや、他者の著作物について出典を明記せずに盗用した可能性は残っている。このうち無断転載については、小保方氏自身が「何らかの記載をコピーしたという曖昧な記憶を持つ様子」だったが、文献そのものを持っておらず、どこから持ってきたか覚えていないと話したという。調査委側は、文書の類似性や、小保方氏自身がここに書かれていた手法を熟知していなかったことなどから、ある論文の記載を何らかの方法でコピーしたものと認められたとの見解だ。引用なしで記載するというのはあり得ない。すべての調査の結果待ちとはいえ、ねつ造でないにしろこうした行為が科学者として当然守るべき倫理に違反しているのは明らかで、「常軌を逸している」という厳しい言葉も「身内」から飛んだ。
小保方氏を含む共著者から直接、真相が語られるのはすべての調査を終えて報告書がまとめられた段階だという。ただし、調査委の石井俊輔委員長は「関係者のヒアリングやデータの解析、関係書類の確認を徹底し、客観的な判断を下すには時間が必要」なため、最終報告の時期については言及しなかった。