入場料やグッズ販売など2億円近い損害 浦和レッズ「無観客試合」の影響と重み

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制裁が下ったことで幕引きをしてはいけない

   クラブリーグだけでなく、ワールドカップレベルでも無観客試合が行われることがある。なじみが深いのは、2006年のドイツW杯を前に行われたアジア最終予選、日本代表-北朝鮮代表の試合だ。北朝鮮は前の試合のイラン戦をホームの平壌で戦ったが、審判の判定を不服とした観客が暴徒化してモノを投げ込むなどした。国際サッカー連盟(FIFA)は事態を重く見て、次の日本戦でホーム開催権をはく奪。中立地のタイ・バンコクに変更したうえで無観客試合との制裁を下したのだ。

   石井氏は当時を振り返り、「日本代表のサポーターも、もちろんスタンド観戦できませんでした。ただこの時も不平不満がサポーターの間で爆発したという話は聞きません。むしろ、スタジアムの外で必死に応援していたという記憶が残っています」と述べた。

   無観客試合に処された浦和の責任は重い。ただ石井氏は「これですべてが解決、と幕引きをしてはいけない」と警鐘を鳴らす。スポットライトを当てるべきは処分内容ではなく、差別的な発言に対してというわけだ。差別に対してはFIFAや欧州サッカー連盟(UEFA)では非常に厳しくとらえ、厳罰を科す姿勢だという。今回の騒動を、差別的な横断幕やヤジを撲滅する契機にしなければ、「Jリーグ初」となった制裁が意味をなさなくなってしまう。

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