「牛すき鍋」580円、牛丼チェーンが熱い戦い 「吉野家」好調で「すき家」「松屋」も参入

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鍋メニューの投入時期が明暗を分けた

   吉野家は2013年4月、「吉野家史上最高のうまさへ」というコピーをひっさげ、牛丼並盛りの価格を従来の380円から他社並みの280円に値下げ。それ以降、大幅に客数を伸ばしている。一方で客単価は減少。既存店売上高は4月から3か月間、2ケタの伸びを示したものの、徐々に息切れし、9月には前年実績を割り込んだ。

   業績も想定以下だった。吉野家ホールディングスは昨年10月、2014年2月期の連結業績予想を下方修正。営業利益は従来予想比47%少ない16億円、当期純利益は同75%少ない2億5000万円に引き下げた。牛肉など原材料の価格高止まりや、光熱費などの経費上昇が影響した。

   そこで登場したのが「牛すき鍋」。客単価の対前年同月比割れは、依然として続いているものの、昨年12月は1.7%減と、11月の7.1%減から大きく改善した。「牛すき鍋」が客数、客単価を同時に引き上げる要因となっており、株式市場では10月時点の業績予想からの上ブレ期待も高まっている。

   ライバルのすき家も2月中旬から「牛すき鍋定食」(580円)を期間限定で販売開始。2月の既存店売上高は前年同月比3.9%増と、30か月ぶりにプラスに転じた。一方、松屋は2月に一部店舗で「すき焼き鍋膳」(580円)を試験販売したが、本格展開が遅れ、5.7%減と2カ月連続のマイナス。鍋メニューの投入時期が明暗を分けた格好だ。

   息を吹き返す吉野家だが、「牛すき鍋」だけに頼ってもいられない。アツアツで提供する特性上、夏の販売増は期待できないからだ。4月の消費増税により、高価格メニューが影響を受けると見方もある。今後も人気を維持できるかどうか、注目される。

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