「関東などでは原則として賠償していない」
「それはただの自己都合での引っ越しでは……?」「感情で行動したことに対して補償などしてたら切りが無い」「過剰に不安を煽った奴を訴えりゃまだ筋通るのに」
文科省や東電では、J-CASTニュースの取材に対し、福島県全域と宮城県の一部については、自主避難であっても、避難にかかった実費などを賠償しているとした。それ以外では、事故との因果関係が認められるときなどに、個別の判断で賠償に応じているが、関東などでは、原則として賠償していないと説明している。
今回賠償を求めた避難者らの連絡先になっている福岡第一法律事務所の近藤恭典弁護士は、賠償請求の理由についてこう言う。
「避難指示区域以外でも、必ずしも安全とは証明されていません。区域の線引きはどこまで合理的か、疑問があります。東京などでもホットスポットがあり、一方的な線引きで被害者が救済されないのは不当です。年間線量が20ミリシーベルト以下なら安全ともされていますが、それで問題がないと言えるのでしょうか。東京などでも一定の汚染はあり、避難した人たちは汚染地域に住んでいたと考えています」
避難者らに何か事情があったかについては、こう説明する。
「小さな子供がいる母親が多く、情報隠しが指摘される中で、どう子供を育てていいか不安を感じていました。また、事故の影響かどうかは分かりませんが、甲状腺異常になって体調不良の方もおられます。賠償金額は、汚染地域の危険度で違うと思いますが、不安を抱えておられますので、何かしらの賠償は必要だと思っています」