震災から3年 原発にいまだ残る「危機」 最大リスクは4号機の使用済み核燃料

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プールが壊れて水が流出するとメルトダウンする

2号機の原子炉建屋ではロボットを使った除染も始まった(東京電力撮影)
2号機の原子炉建屋ではロボットを使った除染も始まった(東京電力撮影)

   二つ目のリスクが、廃炉作業で最難関だとされるのが核燃料の扱いだ。1~3号機の核燃料の一部は解け落ちてかたまり(デブリ)となり、現時点では取り出すことは全く不可能。放射線量が高くて人が近づくこともできず、中長期的な課題として技術開発が急がれている。

   短期的な最大課題は4号機だ。4号機で核燃料が保管されている使用済み燃料プールは高さ30メートルの原子炉建屋4階部分にある。原子炉建屋は原発事故時の水素爆発で鉄骨がむき出しになるほど激しく壊れている。その後修復は進んでいるものの、仮に地震や津波でプールが壊れ、燃料を冷やしている水が流れ出た場合のリスクが高い。燃料自体が1~3号機と同様に露出してメルトダウンを起こすことになるからだ。4号機のプールで保管していた核燃料は福島第1原発最多の1533体。仮にメルトダウンが起これば、その被害は3年前の事故の比ではない。13年6月には水を冷やすポンプが故障するなど、予断を許さない状況が続いてきた。

   そこで考えられたのが、燃料をプールから取り出す手順だ。プールの中で核燃料を「キャスク」と呼ばれる輸送容器に収納し、地上の安全な場所に作ったプールに移す。この手順が終われば、新たに放射性物質が大量に放出されるリスクはなくなることになる。取り出し作業は13年11月に始まり、14年3月9日までに1533体中462体を移送。14年末の移送完了を目指す。ただ、プールの中には変形した燃料もあり、安全に作業を終えるまでは紆余曲折がありそうだ。

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