震災から3年 原発にいまだ残る「危機」 最大リスクは4号機の使用済み核燃料

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   東日本大震災の発生から丸3年。野田佳彦首相(当時)が東京電力福島第1原子力発電所の原子炉で「冷温停止状態」を達成したとして「事故収束」を宣言したのは震災発生からわずか9か月後の2011年12月のことだった。

   1~3号機は「小康状態」といってもよいが、廃炉に向けた道のりは遠い。

   30~40年後には原子炉建屋を解体して更地に戻したい考えだ。だが、それまでに使用済み燃料の取り出しや増え続ける汚染水など対応すべき点は多く、場合によっては再び大量の放射性物質が放出されるリスクも残っている。当分は薄氷を踏むような作業が続くことになる。

高濃度汚染水が土壌にしみこんで海に大量流出

4号機では使用済み燃料プールから燃料の取り出しが進んでいる(東京電力撮影)
4号機では使用済み燃料プールから燃料の取り出しが進んでいる(東京電力撮影)

   事故では1~3号機が炉心溶融(メルトダウン)し、大量の放射性物質が放出された。4号機も3号機から水素が流入したため水素爆発を起こしたが、定期検査中で原子炉の燃料はすべて使用済み燃料プールに移されており、メルトダウンは免れた。14年2月末時点で、1~3号機の原子炉の温度は15度~35度で推移している。

   一見、原発の状況は安定しているように見える。それでも大きく2つの点で、再び大量の放射性物質が原発の外に放出されるリスクが指摘されている。

   ひとつが汚染水の問題だ。1~3号機を冷やすためには注水が不可欠だ。そのため、1日に300~400トンの水が放射性物質に汚染されるという状態で、敷地内には収容タンクが増え続けている。浄化装置「ALPS」(アルプス)は予定よりも1年以上遅れて13年秋に本格稼働したが、すべての放射性物質を除去できるわけではないため、根本的な問題解決にはならない。それ以前に、貯蔵タンクから高濃度汚染水が漏れる事故が繰り返されている。この汚染水は年間30メートルほどの速さで海の方向に向かって土壌にしみわたっているとみられている。これを放置すると深刻な海洋汚染を引き起こすのは確実で、対策が進め荒れている。1~4号機周辺には約1.4キロにわたって「凍土壁」を築いて汚染水をブロックする。14年3月上旬に凍結試験を行うが、汚染水が海に到達するまでに完成するかは明らかではない。

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