東日本大震災の発生から2014年3月11日で3年が経った。多くの人が被災地に思いを馳せ、「あの日を決して忘れない」「復興支援を続けていく」という気持ちを新たにしたことだろう。
この日行われた試合で、Jリーグのサンフレッチェ広島も哀悼の意を表すようなパフォーマンスをしたのだが、ネット上で賛否両論の声が上がっている。
「ふざけてる?」「正直不謹慎」
アジアのナンバー1クラブチームを決める選手権大会「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)」のグループリーグ第2節が14年3月11日に行われ、サンフレッチェ広島はオーストラリアのセントラルコースト・マリナーズと対戦した。
前半21分、サンフレッチェの塩谷司選手がコーナーキックを頭で押し込み先制点を獲得した。その後、9人の選手が地面に腹ばいになり「3」と「11」の数字、ゴールキーパーの林卓人選手が数字の間にしゃがみピリオドを表現し、ミッドフィールダーの高萩洋次郎選手が立って祈りを捧げるようなポーズを取った。ゴール後のパフォーマンスで、ピッチに立つ選手11人全員で「3.11」を人文字で表したのだ。
試合はCS「日テレG+」で生中継されていたのだが、視聴者がこのパフォーマンスを見て「広島ゴールパフォーマンスで3.11の人文字してた」とツイート。これが拡散され、「なにこれ。なんかおかしくない?」「ふざけているようにしか見えない…」「正直不謹慎だと思う」など、批判的な書き込みが投稿された。
祈り捧げた高萩選手の実家が被災していた
批判の声が上がる一方で、「祈りを捧げてるのが洋次郎ってことを考えてほしい」というサポーターの書き込みもある。
高萩選手は福島・いわき市植田町出身で、東日本大震災の津波で実家が被災している。両親は助かったが、祖母はいまだ行方不明だ。東北6県出身の現役Jリーガーで結成した「東北人魂を持つJ選手の会」にも参加し、被災地支援活動も積極的に行っている。
そんな高萩選手も加わった人文字ということで、サポーターからは批判する人に対し「震災でおばあちゃんおらんようになってしまった洋次郎の気持ちがわかるか?それを世界、アジアに伝えようとしてるのがサンフレッチェ広島なんだよ」「洋次郎の気持ちにもなってください。是非理解して頂きたい」との訴えも書き込まれた。
なお、結果は2-1でマリナーズの勝利だった。