STAP細胞騒動に理研と小保方氏「ダンマリ」 取材応じない姿勢にマスコミから批判も

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「論文の信頼性、研究倫理の観点」から論文の取り下げを視野

   確かに理研は、画像と引用の疑惑には「調査中」のまま明確な回答をしてこなかった。一方、STAP細胞を誰もつくれないとの声には3月5日、その詳しい作製手順をウェブサイト上で公開した。

   騒動が長引いているためか、政府も動きを見せた。菅義偉官房長官は3月11日の会見で、文部科学省を通じて理研に調査の実施と速やかな事実解明を求めたと話した。下村博文文科相は、いくつもの疑問が浮かび上がっている論文について「出し直した方がいいのではないか」と述べた。

   こうした流れを受けて、理研は3月11日に「STAP細胞論文の調査について」と題したコメントをウェブサイト上で発表した。ただ現時点では、疑惑を拭い去るには程遠い内容と言わざるを得ない。

   まず、小保方さんの博士論文の画像がSTAP細胞論文に「転用」されたとの指摘は「調査を開始した」段階だという。これ以外の疑義についても調査が継続中で、「最終的な報告にはまだしばらく時間を要する予定」だ。

   その一方で「論文の信頼性、研究倫理の観点」から、論文の取り下げを視野に入れて検討している点も明らかにした。ただ複数の疑惑があるとはいえ、今はあくまでも調査中で「シロクロ」の決着はついていない。具体的な説明や調査結果の公表がない段階での「取り下げ検討」は、どうも釈然としない。

   「朝ズバ!」の中で元村記者は、一度発表した論文を撤回するのは研究者にとって相当のダメージになると説明した。小保方さんをはじめ共著者の経歴を大きく損なう恐れがある。共著者の間でも、若山教授は取り下げを望んでいるが、米ハーバード大学のチャールズ・バカンディ教授は「撤回する理由はない」と反対の構えで、意見が割れているようだ。

   理研では3月14日、メディアに向けた経過報告会を開く予定だ。その席で詳しい調査結果が発表されるかもしれない。いまだに「雲隠れ状態」の小保方さんの口から、疑惑を打ち消す説明が出てくるだろうか。

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