朝日新聞のウェブサイトの記事で一時「見れます」と、ら抜きの見出しが掲載され、ブロガーなどから怒りを買う事態になった。ただ、ら抜き言葉は日常的に使われるようになったとの指摘もあり、賛否両論になっている。
今回話題になったのは、朝日サイトの2014年3月8日付記事だ。
「デスクとか編集長とか校正の人とかどうなってんのか」
東京都江戸川区の地下鉄博物館で、11日から「地下鉄における地下空間の秘密展」が始まるという内容だ。その見出しは当初、「『幻のホーム』見れます 東京、地下鉄設備の秘密展」となっていた。
これに対し、ITコンサルタントの永江一石さんが9日、フェイスブックにその見出し画像をアップし、「新聞が、ら抜き言葉いいの!??」と疑問を投げかけた。さらに、ブログをこの日更新し、「天下の朝日新聞が『ら抜き』言葉はダメだと思う」と今度は強い口調で批判した。提言型サイト「ブロゴス」にも転載され、閲覧数のランキングで上位に入るほどの注目を集めている。
永江さんは、「ATOKだって『ら抜き』は警告が出ますよ」として、「デスクとか編集長とか校正の人とかどうなってんのかと思いました」と漏らした。そして、「口語体と文語体の区別がつかないレベル」「相当気持ち悪い」と断じ、フェイスブックでも「絶対ゆるさん 怒」と書き込んだ。
ちなみに、朝日サイトでは、7時間後ぐらいに修正されたといい、現在は「見られます」の表記になっている。朝日新聞の8日付夕刊社会面にも、この記事が出ているが、小さな記事で、見出しは「地下鉄設備の秘密展」だけだった。ウェブサイトの見出しは、担当者が別途、独自に付けたものらしい。
一般的にネットニュースはスピードが優先されることや、すぐに修正できることから、大手マスコミ系のサイトでも公開された後に修正が入ることは珍しくない。見出しが紙面よりも刺激的、あるいは口語的になるケースもある。