「企業参入」の促進が大きなカギ
その解決策の一つとして、「企業参入」の促進が大きなカギを握っているといわれる。農林水産業は、アベノミクスでも成長分野の一つだ。
2003年の「農地リース特区」ではじまった企業による農業参入だが、本格化してきたのは09年の改正農地法の施行後のこと。農林水産省によると、2013年12月時点でNPOを含む一般法人の農業参入は1393法人。このうち株式会社は858社と、改正法施行前の3.4倍にのぼっている。
参入企業も多彩。食品関連(366社)や卸・小売業者(69社)、建設(172社)や製造業(62社)などもある。最近は販売用から外食などへの卸売り、また外食業が自社の調理用に野菜などを育てるなど、広がりをみせている。
とはいえ、参入企業は農家から農地を借りて農業をしているが、企業が借りている農地の面積は3178ヘクタール(13年9月時点)。これは約40万ヘクタール(2010年調査)もある耕作放棄地のほんのわずかでしかない。参入者を増やすことに加えて、今後は農林水産物の大規模生産による効率化やコストの削減をさらに進める必要も出てきそうだ。