天候の急変を知らせる情報や救難信号は発信されず
機体の整備以上に問題視されそうなのが、乗客の身元確認だ。イタリアのラ・レプッブリカ紙によると、乗客名簿に名前があったイタリア国籍の男性(37)は無事が確認された。両親のもとに本人から電話がかかってきたという。この男性のパスポートは13年8月にタイで盗まれ、再発行を済ませていた。また、オーストリアのデア・スタンダード紙によると、やはり名簿にあったオーストリア国籍の男性(30)も無事で、11年にタイでパスポートを盗まれていた。
この2人の名前をかたって搭乗した人物が何者かは明らかになっていない。飛行機からは天候の急変を知らせる情報や救難信号は発信されておらず、突然消息を絶っている。このことから、テロの可能性を指摘する声も出ている。
消息を絶ったMH370便は、中国南方航空とのコードシェア(共同運航)便だった。この場合、マレーシア航空便の座席の一部を中国南方航空が販売することになる。盗まれたパスポートで搭乗した2人は中国南方航空からチケットを購入してことがわかっている。
シンガポールのストレーツ・タイムズ紙によると、マレーシア航空のアーマド・ジャウハリ・ヤフヤ最高経営責任者(CEO)は、テロの可能性について、
「あらゆる可能性を排除しない。判断は時期尚早」
と述べている。マレーシア当局も、空港監視カメラの分析を進める。