マレーシアのクアラルンプール発北京行きのマレーシア航空(MH)370便(ボーイング777-200ER型機、乗員乗客239人)が2014年3月8日3時40分(日本時間)頃、南シナ海上で消息を絶った。マレーシア航空が発表した。ベトナム空軍機が海上に油のようなものが浮いているのを発見したが、3月9日朝時点でも機体は発見されていない。墜落した可能性が高いとみられる。
消息を絶った機体は、2012年に上海で他の飛行機と接触事故を起こし、主翼を破損している。この接触事故と今回の事故との関連は現時点では不明だが、今後の事故調査の焦点になる可能性が高い。また、乗客のうち2人が盗まれたパスポートを使って搭乗していたことも明らかになっている。テロの可能性も指摘されており、マレーシア当局の保安体制に批判が集まるのは確実だ。
10日前にはクアラルンプール-成田-ロサンゼルスを往復
マレーシア航空は、消息を絶った飛行機(機体番号:9M-MRO)を2002年に導入している。飛行機として飛び抜けて古いわけではないが、12年8月9日に上海の浦東空港で、中国機と接触事故を起こしている。新華社通信によると、中国東方航空のロサンゼルス行きMU583便(エアバスA340-600型機)が離陸に向けて待機していたところ、マレーシア航空のクアラルンプール行きMH389便が追突。その結果、マレーシア航空機の右の主翼と中国東方航空着の左の水平尾翼が破損した。乗員・乗客にけがはなかった。事故後に適切に修理が行われたかが重要な検証のポイントになりそうだ。
また、この飛行機(9M-MRO)は、14年2月28日から3月1日にかけて、クアラルンプール-成田-ロサンゼルスを往復している。機体にトラブルを抱えたまま飛行を続けていたとすれば、日本人乗客も事故に巻き込まれる可能性もあった。